パフォーマンスアート!の展開 Expand of Performance Art

by 安野 和憲

写真、資料、記録映像  photos  and moving images, and books

 

2019年2月19日(火)~ 24日(日)

11:00~18:00

プレゼンター presentors
木村文香、清水恵美、北山聖子、山岡さ希子
Fumika Kimura, Megumi Shimizu, Seiko Kitayama, Sakiko Yamaoka

 

イベント 24日(日)16:00~19:00
4人のプレゼンターによる映像の紹介とトーク、ディスカッション
司会進行:狩野愛 moderator : Ai Kano
参加料:1000円 (お茶、お菓子含む)

 

一般的に、パフォーマンスアートというと、演劇やダンスを連想される方が多いかもしれません。ここでは、ややニッチな分野である「美術」文脈のパフォーマンスアートのことをご紹介したいと思います。それは簡単にいうと、アーティストがその身体や空間を扱い、「出来事をつくろう」とするものです。彼らの多くは、もともと画家や彫刻家、あるいは詩人です。彼らは、彼らの思想を発展的に考えた結果、できるだけ直接的な方法で、それらを「現実」のシーンで提示したいと考えました。演劇やダンスがギリシャの昔からあったことを思えば、そのパフォーマンスアートが、芸術表現のひとつとして認識されるようになったのは1960〜70年代、どちらかというと、かなり新しいものです。しばしば、それは公共空間で行われたり、社会風刺や制度批判のツールにもなり、当初は「前衛芸術」の一つとして、もてはやされてもいました。それは、時を経て発展かつ変化し、今では決して先端的な前衛とは言えない表現形式ではありますが、欧米、アジア、日本のアーティストたちが様々な目的や方法で表現し、少なからず、観客の共感を得ている芸術のひとつです。本展では、その現在のアーティストたちの取り組みなどをご紹介します。

 本展覧会は、2016年に設立したパフォーマンスアートの記録映像のアーカイブIndependent Performance Artists’ Moving Images Archive(IPAMIA)を運営している7名からなるコレクティブによって企画されています。展示では、一人のゲストアーティストとアーカイブメンバーの4人が、「パフォーマンスアートの可能性を展開するため」に今まさに彼女たちが研究・実践していることや、課題と考えていることなどを、写真、テキスト、映像などで提出します。また、アーカイブされている記録映像の一部もご紹介します。会場には、関連図書などをも置かせていただいています。最終日の24日(日)には、展示以外の映像を交えた紹介とトーク、ディスカッションのイベントを予定しています。
本展覧会およびイベントを通じて、「パフォーマンスアート」の概念を「展開」する経験と出来事を、みなさまと共に引き起こすことができれば幸いです。

 

<プロフィール>
*ゲスト・アーティスト
木村文香
1997年生まれ。福島県出身、現代アーティスト。東京藝術大学美術学部油画在籍。パフォーマンス、インスタレーション、絵画、映像などの媒体で表現する。2016年より東京都内で展示を複数企画及び参加。
2017、2018 NIPAF International、 2018 Responding International Performance Art Festival and Meetingなど国際パフォーマンスフェスティバルに参加。自身の映画作品である「全き世界」の上映を行う(2018、銀座)

*アーティスト、IPAMIAメンバー
清水恵美
主に行為のパフォーマンスとドローイングを行う。中国での生活経験から、東アジア圏の文化人類学・人文審美に興味があり、中国書画からみる身体性をパフォーマンスの軸にしている。2001年中国に留学。16年間の中国滞在後2016年に帰国。「「民間の力量」(2016 / 中国・北京民生美術館)、「AQUA2017」(ローマ)、グループ展(2016 / 天津・三元当代美術館)、「Asian Panic!」(2012 / 韓国・光州市立美術館)、LandartMongolia360ビエンナーレ(2018, 2012 / モンゴル)、UP-ON 国際パフォーマンス・アート芸術祭(2017,2012 / 中国・成都)、重慶長江国際影像ビエンナーレ(2015 / 中国・重慶)など。

北山聖子
1982年、長野県生まれ。東京造形大学絵画専攻卒業。武蔵野美術大学通信課程油画科卒業。在学中、学生自主運営スペースnodeの運営・地域アートプロジェクトに携わる。あなた、わたし、社会の関係に生じる抑圧とレジリエンスを考える。2008年よりパフォーマンスアートを始め国内外のフェスティバルに参加。近年参加したフェスティバルとして、SIPAF(2017、フィリピン)、Performance Resources Orchestra(2017、シンガポール)谷雨西安行為芸術祭(2017、中国)NIPAF(2017、日本)

山岡さ希子
1961年生まれ。武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。パフォーマンス作品の他、映像作品やドゥローイング。1991年よりパフォーマンスアートを始める。1992年、The Artists Village(シンガポール)のフェスティバルに参加。1997年よりほぼ毎年ヨーロッパのパフォーマンスアートフェスティバルや展覧会に参加。2000年、東京芸大芸大美術館にてイベントPerformance Art! 企画。2004年に国際交流基金の派遣事業でドイツに半年滞在。以後、アジア、北南米のフェスティバル、展覧会に参加。2016年よりパフォーマンスアートのアーカイブを設立。

 

*アートアクティビズム研究、IPMIAメンバー
狩野愛
専門は、文化研究、アート・アクティヴィズム、ソーシャリー・エンゲイジド・アート研究。ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ、Culture Industry(M.A.)、東京藝術大学大学院、博士号(Ph.D.)取得。芸術、政治、参加、メディアの関係性を、実践と理論の往還を通して思索する学際的な研究者を目指している。

 

 

<IPAMIAとは>
正式名称、Independent Performance Artists’ Moving Images Archive。パフォーマンスアートのデジタル映像記録のアーカイブ。通称IPAMIA。出身、在住地域が様々なアーティスト達が保有していた映像データを主体に、テキストデータや印刷物のデジタルデータも含め、アーカイブ化。主に1980年以降のヨーロッパ、アメリカ、アジア等の地域で行われたパフォーマンスを対象としている。
2016年 に設立。2017年よりアーカイブを紹介するイベント等の活動も開始。インターネット上でのアーカイブ公開により、社会における継続的な知の共有を目指す。他のアーカイブ組織への寄贈や連携、ネットワーク、将来的な引継ぎも視野に入れながら、アーカイブ資料に関連した研究活動を並行して行っている。